井上判事再任問題・2

前回のエントリーで「井上薫判事問題」について、思いつくままに書き綴りましたところ、お読みになった方から「もう少し丁寧に書いたほうがいい」とのアドバイスをいただきましたので、再度本問題について書きたいと思います。 「再任」とは何か まず、裁判…

再開

一身上の都合から、日記の更新及びコメント欄管理がままならなくなりましたので、一時休止しておりましたが、本日よりぼちぼち再開したいと考えております。 さて、休止中には総選挙があったりイラク派遣延長があったり教団改名があったりと、なかなか慌しか…

アレフ信者転入届不受理事件は“差別問題”か

はじめに 最近よく拝見しているブログ「世界の中心で左右をヲチするノケモノ」で、管理人であるplummet氏が次のようなコメントを残しておられました。 (plummet氏) 差別の例は、ようするに「人を見て判断しない」ことにポイントがあるのだと個人的には解釈…

先送り。あくまでも先送りに過ぎませんが。

とりあえずメモ。 人権擁護法案の今国会での提出が見送りになったそうです。(Sankei Web 速報より) そりゃこのタイトな政治日程で、また郵政で与党内に不協和音が鳴り響いてるときに、わざわざ対立軸を増やすことはないですよねえ。 私は人権擁護法案に反…

人権委員会の勧告は、公法関係確認訴訟で争えるか

前回のエントリーで 「やはり本年4月に施行された改正行政事件訴訟法、とりわけ「公法関係確認訴訟」がどの程度活用できるかを見極めることが必要となるのですが、本法案の法務省修正案にみられる「異議の要旨を併記する」ようなスタイルの「行政指導(勧告…

内閣法制局の「重み」

Bewaadさんのところで私がコメントさせていただきました以下の疑問 何度も丁寧なお答えをいただき、本当にありがとうございます。 政府部内に籍を置いた経験のない私にはいま一つ実感できないのですが、内閣法制局にはおそらくかなりの「重み」があるのでし…

Musical Batonがやってきた

若隠居さんから“Musical Baton”が回ってまいりました。 音楽に関する4つの質問に答え、さらに5名の方にトラックバックせよとのこと。 詳しくはこちらをご参照ください。絵文禄ことのは さま 音極堂茶室 さま では、私めも回答させていただきます。1."Total…

事例2題(6月23日追記あり)

前エントリーでも少し触れましたように、人権擁護法案は司法制度改革の一環として位置付けることができますし、また、差別事象に対する簡易迅速な救済制度が人権擁護法でなければならないというわけでもありません。 司法制度改革といえば、今年の4月1日から…

「対案」に期待できるのか

「真の人権擁護を考える懇談会」の座長をおつとめになられている古屋圭司衆議院議員のホームページに、次のような一文がありました。日本の自由と民主主義を守るために(マンスリーIIC 6月号インタビュー) 平成17年6月1日 http://www.furuya-keiji.jp/activ…

「対案」が出てくるらしい。

人権委の権限縮小検討 自民反対派、党内調整へ 政府の人権擁護法案に反対する自民党議員でつくる「真の人権擁護を考える懇談会」(会長・平沼赳夫前経産相)は27日午後、党本部で開いた会合で同法案の対案づくりについて詰めの協議をした。来週から党執行…

ある無罪判決

<解放同盟全国連支部幹部に無罪=恐喝で起訴「相当な権利行使」−大阪地裁> 従業員を解雇した印刷会社に押し掛け「部落差別」と抗議し、現金を脅し取ったとして、恐喝罪に問われた部落解放同盟全国連合会寝屋川支部の支部長滝口敏明被告(69)ら幹部4人…

裁判は、誰が担当しても同じようでなければならないのか

まあ全然更新していなかったわけですが。 下書き程度の文章(「公表制度の問題点」とか「メディア規制“だけ”通さないか―奈良女児殺害事件から―」とか、他いくつか)は溜まってきているのですが、なかなか公にする気になれないわけでして。正直なところ、人権…

人権擁護法案検討メモ―番外編その10

<はじめに> ええと、自分のほうから問題提起をしておきながら、いただいたお答えを受け止めきれずアップアップしてしまいました。いや、問題提起の時点で既に一杯一杯だったんですが。 「“行政委員会が信用できない”と言っているのに、なんで“司法は信用で…

法務省の人権擁護法案修正案について(人権擁護法案検討メモ―番外編その10)

今回は、法務省が明らかにした(とされている)人権擁護法案 修正(予想)案について検討します。 私は「白紙撤回の上改めて検討しなおすこと」が望ましいと考えておりますので、取り上げること自体を迷ったのですが、一応触れておく、ということで。 法務省…

人権擁護法案検討メモ―雑感その2

え〜、「民主党案(人権侵害救済法)と政府原案(人権擁護法案)なら、どっちか」というお話が出ているようですが、「んなもん、どっちもダメだろ」 というのが私の変わらぬスタンスでございまして。理由は今まで縷々述べてまいりました通り。 「アレな案」…

「川崎市人権オンブズパーソン条例」と人権擁護法案(人権擁護法案検討メモ―番外編その9)

“川崎市人権オンブズパーソン”については、和尚氏のブログ「ニヤリ」2005年4月4日付エントリー*1で取り上げられておりまして、私も少しコメントさせていただきました。取り上げられていた事案(以下 当該事案という)は次のとおりです。 教員の暴言等による…

「公正・透明な手続を行うために1・2」(福田氏『漂泊言論』)にお答えして

拙ブログ「人権擁護法案検討メモ―番外編その8」に、福田さまからトラックバックをいただきました。ありがとうございます。 <公正性について> 私の中でもきちんと整理できていない問題ですので申し訳ないのですが、大まかに申し上げますと、私は「公正さ」…

人権擁護法―私案検討メモその1

既に和尚氏*1とbewaad氏*2との間に議論の積み重ねがあり、今からだと後だしジャンケンになってしまいますので、私は和尚氏とbewaad氏との議論で触れられていない箇所について一応述べてみます。随時変更予定。 「第一章 総則」関係 (人権侵害の禁止) <法…

法は誰のものか

<はじめに> いつも拝見しているブログに「いい国作ろう!『怒りのブログ』」(まさくに氏)*1があります。新聞報道をベースに、主として行政の抱える病理について日々詳しく取り上げておられるのですが、その中で触発されるところがありましたので、少し書…

行政委員会委員等の任命に対する議会同意について

これは別に人権擁護法案の問題ではなく議会のあり方の問題なのですが、一応参考までに。 [018/034] 154 - 衆 - 議院運営委員会 - 47号 (平成14年06月20日) ○鳩山委員長 次に、国家公務員等任命につき同意を求めるの件についてでありますが、検査官、情報公…

人権擁護法案検討メモ―番外編その8

ちょいとバタバタしていたのと、考えが煮詰まっていたのとで、しばらくエントリーを更新することが出来ませんでした。 考えが煮詰まっていたというのは、「“行政委員会が信用できない”と言っているのに、なんで“司法は信用できる”と言えてしまうのか?」とい…

人権擁護法案検討メモ―雑感

人権擁護法案を自分なりに読み解く試みをここしばらく続けてきたわけですが、今回は感想めいたことを少し。 法律とは立法者の意思の表明であり、それゆえに法解釈とは立法者の意思を解明することに尽きるという考え方は、“立法者意思説”といって昔からあった…

人権擁護法案検討メモ―番外編その7

お忙しい中、bewaadさまから丁寧なご指導をいただきました。本当にありがとうございます。拙ブログのエントリー群が“法案分析”と呼べる代物ではないことは承知していますが、拙ブログがBewaad Institute @Kasumigasekiにおける一連のエントリーを生むきっか…

差別助長行為等の差止請求(人権擁護法案検討メモ―番外編その6)

<はじめに> 前回の最後に、「いよいよ『差別助長行為等の差止請求訴訟』です」と書きました。こいつは手強いです。正直なところ、ぜんぜんイメージがわきませんので、下書きのつもりで書きとめておきたいと思います。 前回、前々回で取り上げた「資料の閲…

人権委員会の訴訟関与(人権擁護法案検討メモ―番外編その5)

<はじめに> 前回は、「人権委員会が収集した資料の閲覧謄写(法案第63条)の問題点」について述べました。今回は人権委員会が訴訟に直接関与する場合について考えます。 <人権委員会の訴訟参加とは> 第63条第1項 人権委員会は、第60条第1項(第72条第1項…

人権委員会が収集した資料の閲覧謄写(人権擁護法案検討メモ―番外編その4)

<はじめに> 前回(人権擁護法案検討メモ―番外編その3)では、男女雇用機会均等法の運用状況から、人権擁護法案に基づく人権委員会が調停を中心とする準司法機関としてよりも、「行政指導」という“相対交渉を有利に運ぶためのお墨付き”を発行する機関とし…

人権擁護法案と男女雇用機会均等法(人権擁護法案検討メモ―番外編その3)

前回は、人権擁護法案に定められた「勧告」「公表」制度について、男女雇用機会均等法(以下 均等法という)の「勧告」「公表」規定を手がかりにして考えてみました。均等法を取り上げたのは、差別禁止立法であること、報告の徴収並びに助言、指導及び勧告と…

私のアンテナから

上のエントリーで、Bewaad Institute @Kasumigasekiを「敬愛するブログ」と書きましたが、ほかにも拝見しては刺激を受けたりほのぼのしたりしているブログがあります。 コメントなどは控えているものの、アンテナに入れて更新を楽しみにしているブログ、みな…

BI@Kの胸を借りてみた。

私の敬愛するブロガー、webmasterさま(Bewaad Institute @Kasumigaseki)が人権擁護法案を取り上げていらっしゃることを奇貨として、あえてイチャモンをつけてみたところ予想通り得るものが多く、教えを請うてみるものだと思った次第です。ニュースでよく見…

一休み

思いもかけず私にとってのカリスマブログ、Bewaad Institute @Kasumigaseki*1にお取り上げいただき、正直ビビッております。国相手に本人訴訟を起こした人の気持ちを(何万分の一かですが)感じている次第です。 さて、ここのところ長文のエントリーを書きす…