行政委員会委員等の任命に対する議会同意について
これは別に人権擁護法案の問題ではなく議会のあり方の問題なのですが、一応参考までに。
[018/034] 154 - 衆 - 議院運営委員会 - 47号 (平成14年06月20日)
○鳩山委員長 次に、国家公務員等任命につき同意を求めるの件についてでありますが、検査官、情報公開審査会委員、預金保険機構理事長及び同理事、公正取引委員会委員長及び同委員、公害等調整委員会委員長及び同委員、日本放送協会経営委員会委員、中央更生保護審査会委員長、労働保険審査会委員、土地鑑定委員会委員に、お手元の印刷物にあります諸君を任命するについて、内閣から本院の同意を求めてまいっております。 一、国家公務員等任命につき同意を求めるの件 検査官 大塚宗春君 金子晃君七、三〇定年退官につきその後任 情報公開審査会委員 高木佳子君 住田裕子君辞職予定につきその後任 新村正人君 園マリ君 藤原静雄君 預金保険機構理事長及び同理事 理事長 松田昇君 六、二〇任期満了につき再任 理 事 渡辺達郎君 花野昭男君六、二五任期満了につきその後任 公正取引委員会委員長及び同委員 委員長 竹島一彦君 根來泰周君七、三〇定年退官につきその後任及び九、二三任期満了につき再任 委 員 三谷紘君 糸田省吾君六、三〇任期満了につきその後任 公害等調整委員会委員長及び同委員 委員長 加藤和夫君 川嵜義徳君六、三〇任期満了につきその後任 委 員 堺宣道君 長崎護君六、三〇任期満了につきその後任 平石次郎君 六、三〇任期満了につき再任 日本放送協会経営委員会委員 武田國男君 鳥井信一郎君四、一〇辞職につきその後任 中央更生保護審査会委員長 松浦恂君 増井清彦君六、二六任期満了につきその後任 労働保険審査会委員 中島芙美子君 松本康子君六、三〇任期満了につきその後任 土地鑑定委員会委員 黒川弘君 七、四任期満了につき再任 安藝哲郎君 七、四任期満了につき再任 増田修造君 佐藤實君七、四任期満了につきその後任 中島康典君 清水幹雄君一三、一二、一九死去につきその後任 瀬古美喜君 七、四任期満了につき再任 高山朋子君 七、四任期満了につき再任 能見善久君 平井宜雄君七、四任期満了につきその後任 ○谷事務総長 まず最初に、動議により、厚生労働委員長森英介君解任決議案を上程いたします。民主党の山井和則さんが趣旨弁明を行います。次いで二人の方々からそれぞれ討論が行われますが、順序は印刷物のとおりであります。自由民主党、公明党及び保守党が反対でございます。 次に、国家公務員等任命につき同意を求めるの件についてお諮りいたします。各会派の態度はお手元の印刷物のとおりであります。 次に、日程第一は委員長提出の議案でありますので、議長から委員会の審査を省略することをお諮りいたします。次いで久保国土交通委員長の趣旨弁明がございまして、全会一致であります。 本件の議事が終わりましたところで、動議により、残余の日程は延期して、散会することになります。 本日の議事は、以上でございます。 各会派の態度 一、(全会一致) 検査官:大塚 宗春君 情報公開審査会委員:高木佳子君 園マリ君 日本放送協会経営委員会委員: 武田國男君 中央更生保護審査会委員長:松浦恂君 労働保険審査会委員:中島芙美子君 土地鑑定委員会委員:増田修造君 中島康典君 瀬古美喜君 高山朋子君 能見善久君 二、(反対 民主、社民) 情報公開審査会委員:新村正人君 三、(反対 共産) 情報公開審査会委員:藤原静雄君 預金保険機構理事長:松田昇君 土地鑑定委員会委員:安藝哲郎君 四、(反対 民主、自由、共産、社民) 預金保険機構理事: 渡辺達郎君 公正取引委員会委員長(再任を含む):竹島一彦君 五、(反対 共産、社民) 公正取引委員会委員:三谷紘君 土地鑑定委員会委員:黒川弘君 六、(反対 民主、共産) 公害等調整委員会委員長:加藤和夫君 七、(反対 民主) 公害等調整委員会委員:堺宣道君 平石次郎君
[017/034] 154 - 衆 - 本会議 - 43号 (平成14年06月20日)
○議長(綿貫民輔君) お諮りいたします。 内閣から、 検査官 情報公開審査会委員 預金保険機構理事長及び同理事 公正取引委員会委員長及び同委員 公害等調整委員会委員長及び同委員 日本放送協会経営委員会委員 中央更生保護審査会委員長 労働保険審査会委員 及び 土地鑑定委員会委員に 次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。 内閣からの申し出中、 まず、 検査官に大塚宗春君を、 情報公開審査会委員に高木佳子君、園マリ君及び藤原静雄君を、 預金保険機構理事長に松田昇君を、 公正取引委員会委員に三谷紘君を、 日本放送協会経営委員会委員に武田國男君を、 中央更生保護審査会委員長に松浦恂君を、 労働保険審査会委員に中島芙美子君を、 土地鑑定委員会委員に黒川弘君、安藝哲郎君、増田修造君、中島康典君、瀬古美喜君、高山朋子君及び能見善久君を 任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(綿貫民輔君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。 次に、 情報公開審査会委員に新村正人君を、 預金保険機構理事に渡辺達郎君を、 公正取引委員会委員長(再任を含む)に竹島一彦君を、 公害等調整委員会委員長に加藤和夫君を、 同委員に堺宣道君及び平石次郎君を 任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
え〜っと。
国会会議録を見る限り、各候補者について、なぜ内閣が選んだのかも判らなければ、各会派がどういう理由で賛否の態度を決定したのかも判りません。これでは議会の同意が委員の“公正らしさ”を担保していると信じることはできません。
現状がこんなのだから、いくら法務省や法案推進派から「議会の同意に基づいて内閣が任命するのですから、委員の公正中立性は保たれます」と教えられたところで、頭では理解できても納得はできないのです。
行政委員会委員なんて、どっちみち官僚の順送りポストだったり学者の箔付けポストだったりするのでしょうが、せめて委員候補者を国会に呼んで、委員就任が予定されている行政委員会が行っている直近の政策に対する見解くらいは聴き、その行政委員会の担当政策に関連する特定の団体と候補者との間に深いつながりがないことなどを確認した上で「同意した」としてもらわないことには、行政委員会委員の“公正らしさ”を説得力あるものにはできないでしょう。
これは運用の問題、しかも人権擁護法ではなく国会運営のありかたという、より一般的な制度運用の問題ですので、人権擁護法案批判としては外れた議論であることはよくわかっています。
しかしまあ、“公正らしさ”を担保できていないことがわかりきっている“両議院の同意”制度をわざわざ採用するくらいなら、“公正性”の確保についてそれなりに実績のある司法府の機能を拡充するほうがよりましであるように思いますが、どうなのでしょう。(これはもはや難癖の部類に入ってしまうのかも知れませんが。)