富士見産婦人科の元院長、免許取り消し撤回求め提訴

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050312i203.htm

 不要な手術で患者の子宮などを摘出したとして、医師免許取り消しの行政処分が決まった富士見産婦人科病院(埼玉県所沢市、閉鎖)の北野千賀子元院長(78)が、厚生労働相を相手に処分の取り消しを求める訴えを東京地裁に起こしていたことが分かった。 
 同時に、処分の執行停止も申し立てた。いずれも11日付。 
 厚労省は今月2日、北野元院長に対し、医療行為の不正では初の免許取り消し(発効は16日)を決定。不要とされた手術について、北野元院長は処分決定前、「当時の医療水準では妥当だった。処分は絶対間違っている」とする陳述書を厚労省に提出していた。 
 厚労省医政局は「処分内容は適切と考えており、司法の場できちんと主張していく」としている。

 いやまあ、裁判を受ける権利は何人にも認められた権利ですから。でもねえ、これ最高裁までいくだろうし、寿命と判決の競争になるでしょうね。
 医師の処分について答申する「医道審議会」については先日のエントリーで述べましたが*1、このような審査のありようがADR(裁判外紛争処理)に対する信頼を失わせていくのではないかと。あ、「医道審議会」はADRではなく“審議会”なんですが、事実上医師に対する行政処分を決定できる機関なので。良識あるメンバーによる審議機関が適正な判断を下すという推測の根拠が薄弱であること、また準司法機関の存在により紛争の終局的解決がべらぼうに遅延する可能性があることを知るには充分な事例です。