朝日新聞の、こころない記事に憤る

ブログ『天漢日乗*1より。

<「ペンギンのえさ代に」動物園にインドから50ルピー>
http://www.asahi.com/national/update/0224/006.html
 全国的な人気を集める北海道旭川市旭山動物園に、インドから手紙が届いた。50ルピー紙幣1枚と一緒に、「このお金をペンギンのえさ代にして」と英語で書かれた紙が入っていた。 
 ペンギンの散歩を取材した海外の通信社が今月、インドに記事と写真を配信しており、「地元の新聞で見た子供が送ってくれたんでしょう」と同園。 
 日本円で約120円では、えさは賄えないが、記念品と一緒にお礼の手紙を出すつもりだ。「温かい気持ちにこたえたい。切手代の方が高くつくかもしれませんが」 (02/24 08:07)|< 

 私はこの記事を読んで、あまりの情けなさに涙が出ました。iori3氏(『天漢日乗』を運営なさっている方)のおっしゃるとおりですので、ぜひともそちらをお読みになってください。

 先日のエントリーで、スマトラ沖地震被災者のための募金箱(約500円)を盗んだ中学生が逮捕された事件について触れました。その件については、「法執行機関である警察が、『募金箱窃盗が善意を踏みにじる行為であるから』といって少年を逮捕することは、逮捕行為を事実上の制裁として機能させることになり許されない」旨を述べたのですが、これは決して「募金箱を盗むことが取るに足らないことである」と述べているわけではありません。お金には、さまざまな意味が込められており、その意味の重さを教えるのは家庭(や学校)であって法執行機関ではないということです。

 「ペンギンのために力になってあげたい」という子どもの気持ちが込められた1枚の50ルピー紙幣を、なぜ「えさも賄えない」「切手代の方が高くつく」ような取るに足らないものであるかのように書き捨ててしまえるのでしょうか。もしも執筆者が、「取るに足らないと述べたつもりはない」と言うならば、その鈍感さにあきれるばかりです。

 なお、この子どもにとっての50ルピーは、決して取るに足らない額ではないでしょう。かの国では、5ルピーが小麦粉500g、飴玉10個に相当するとのこと。このような国家間の経済格差については、大朝日の記者であれば常識と言ってよいと思われますがどうなのでしょうか。

 大勢がチェックする社説やトップ記事ではなく、このような記事の書き振りにこそ、その新聞の品性が現れようというものです。
 拙宅では一応4大紙を購読していますが、これを契機に朝日の購読を取りやめようかと思っています。