「食事過多で被害」 京都地裁、損害賠償請求を棄却

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005021900041&genre=D1&area=K00

 知的障害が原因で食事の量を調節できないのに施設の指導員が興味本位で大量の食事をさせ、胃を全部摘出したとして、京都府城陽市知的障害者更生施設に入所する女性(54)が社会福祉法人「南山城学園」に約2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、京都地裁であり、中村隆次裁判長は請求を棄却した。 
 女性側は1999年2月に女性が外出した際、指導員がラーメンやご飯、菓子、サンドイッチなどを食べさせ、女性は夕食も食べた結果、嘔吐を繰り返して胃の全摘手術を受けたと主張。中村裁判長は「外出時の飲食は異常な量といえず、食物は要らないと意思表示ができたことなどから、指導員が必要以上の食事をさせたと認められない。当日の飲食と手術の関連性もない」とした。

 新聞報道からは、そもそも過大な量の食事を与えたわけではなく、また仮に与えたとしても継続的なものではないので、胃の全摘が必要なほどのダメージを受けたとは考えにくいです。ただ、この訴訟が単に原告のトンデモ主張によるものと片付けてよいものなのか、それとも紛争を増幅するような軋轢の存在を読み取るべきなのか、私にはわかりません。

ですが。

<社説:介護施設と職員 憎しみ生み出す悲しい現実>
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20050220k0000m070126000c.html
 介護労働従事者と施設の実態が連合の調査で明らかになった。介護現場が「きつい、汚い、危険」の3K職場になっていること、大半の施設で高齢者の身体拘束を行っている事実が浮かび上がった。
深刻なのは、職員の3割が「入所者への憎しみ」を感じていることだ。介護職員はまじめで、介護への熱意もあり良心的な仕事ぶりには好感をもてる。それなのに心の中に「憎しみ」が芽生えてしまう。悲しい現実だ。調査では、疲れている人や人手不足を訴えた職員のなかに「憎しみ」を感じている人が多かった。

 この記事は老人介護施設を対象とした調査について書かれたもので、知的障害者更生施設について書かれたものではありませんが、同じような“憎しみ”が存在して、それが施設(職員)―患者間の対立を深める原因になっているような気がします。気がするだけですけど。