被告、法廷で国選弁護人解任を訴え(仙台高裁)

この日は、控訴審初公判だったが、開廷前の法廷でも被告と弁護人が対立し、「面会に来てくれるんですか」「わかりません」などと応酬。結局、弁護人が提出した控訴趣意書の陳述は見送られ、予定されていた被告人質問も行われなかった。

 控訴趣意書の内容をめぐって意見が対立したようですね。被疑者の希望を丸呑みしてしまうのが弁護人の仕事ではないですし、かといって被告人の意向を無視できないし。弁護士は、相手方との勝負を請け負う「決闘士」ではなく、依頼者の意思を裁判官や相手方に伝達し理解させる「通訳」と捉えるほうが近いように思われます。依頼者は、法言語への翻訳過程ではどうしても“翻訳できない部分”が生じてしまうことも理解しておかなければ、弁護士や法廷に対して過剰な期待を抱き、その後間違いなく落胆することになるでしょう。
(なお、「国選弁護において、本当の依頼者は誰か」という点もまた、気になるところではあります。)